「防災グッズを準備しよう」と思っても、いざ商品を探し始めると、何を揃えればよいのか分からなくなることがあります。
防災用品には、非常用持ち出し袋のように「避難するとき、すぐ持ち出すもの」と、自宅で避難生活を続けるための「家庭備蓄」があります。内閣府も、持ち出し品と家庭での備蓄を分けて準備することを勧めています。家庭では最低3日間、できれば1週間過ごせるよう、飲料水は1人1日3Lを目安に備える考え方が示されています。普段使う食品を少し多めに買い、古いものから食べ、使った分を補充する「ローリングストック」も有効です。
では、実際に何を選べばよいのでしょうか。
私は、まず「商品」から考えるのではなく、
悩み → 必要なもの → 商品
という順番で考えることが大切だと思います。
そこで今回比較したのが、細かな用途別の商品を展開するフラバと、必要なものをまとめて備えるLA・PITAです。
私はこの2社を見て、あえて、
「柔のフラバ」
「剛のLA・PITA」
と表現してみました。
これは、単純に「どちらが優れている」という意味ではありません。
防災で本当に困るのは何か
災害時の悩みは、人によって違います。
一人暮らしなら「最低限を軽く持ちたい」。
二人暮らしなら「トイレや明かりが一つしかないと困る」。
子どものいる家庭なら「食料や年齢に合った用品が必要」。
車を使う人なら「車内に閉じ込められたときが心配」。
寒い季節なら「暖を取って眠れるか」が気になります。
つまり、防災は「防災セットを一つ買えば終わり」というものではありません。
自分は何に困りそうなのか。
そこから必要なものを考える必要があります。
フラバ――「必要なものを、自分で選ぶ」柔の防災
フラバの特徴として目立つのは、商品を細かく分けていることです。
救急セット、A5サイズの防災セット、車載用、通勤・通学用、帰宅支援、熱中症対策、火災脱出、子ども用、親子用など、用途や場面ごとに商品を探しやすくなっています。現在も公式販売ページには、このような細かなカテゴリーが並んでいます。
たとえば救急セットは、A5サイズの携帯型が用意され、ポイズンリムーバーの有無を選べる商品もあります。実際に現在の販売価格は2,000円台からの商品が確認できます。
ここで私が面白いと思ったのは、**「全部入りを買う」のではなく、「自分に必要なものだけを追加していける」**ことです。
たとえば、
「救急用品だけ欲しい」
「車に備えておきたい」
「火災対策だけを強化したい」
という人には、細分化された商品構成が便利です。
また、火災脱出セットにはA5ポーチを採用した商品もあり、現在2,480円で販売されています。セット内容には、防炎タオル、耐熱軍手、非常用ライト、笛などが含まれ、火災時の避難を意識した構成です。
私はここに、フラバの「柔」を感じます。
必要なところだけを柔軟に補える。
これがフラバの強みだと考えました。
「小さい」は、災害時には大きな意味を持つ
フラバの商品を見ていて、もう一つ印象に残ったのがA5サイズです。
防災用品は、重くて大きければ安心というものではありません。
災害時には、慌てて持ち出すことがあります。持ちにくい、重すぎる、かさばる――そんな商品では、せっかく備えても使いにくくなります。
コンパクトにまとめることで、「持って逃げる」という本来の目的に近づけられます。
もちろん、A5だから何でも足りるという意味ではありません。
「持ち出すものは、実際に持てるか」
という視点も、防災用品選びでは忘れてはいけないでしょう。
LA・PITA――「まとめて備える」剛の防災
一方、LA・PITAは防災セットを中心に、一人用、二人用、三人用など、必要なものをまとめて用意できるのが大きな特徴です。
現在、公式サイトでは「防災セット ラピタ プレミアム 1人用」が19,980円(税込)で販売されています。セット重量は約5.3kg。防水性・撥水性に配慮したターポリン生地と止水ファスナーを使ったリュックを採用し、保存水、アルファ米、防災エアーマットなどを組み合わせています。
ここでフラバとの違いがはっきりします。
フラバが、
「あなたには何が必要ですか?」
と問いかけるような商品構成だとすれば、
LA・PITAは、
「まず必要なものをまとめて用意しましょう」
という考え方に近い。
私はこれを「剛」と感じました。
LA・PITAは「セットだからこそ便利」な部分がある
ラピタプレミアムには、多機能ダイナモラジオライト、防滴調光ランタン、トイレ、レスキュー寝袋、エアーマット、保存食など、避難後の生活まで考えた用品が組み込まれています。公式サイトではセット内商品の単品販売も案内されています。
中でも印象に残ったのが、**「明かり」と「情報」**です。
多機能ダイナモラジオライトは、ライト、AM/FMラジオ、サイレン、スマートフォンの充電機能を備えています。
そしてランタンは、ライトとは別の「生活の光」として考えることができます。
ライトは移動するとき。
ランタンは、その場で生活するとき。
たとえば二人で避難生活をしていて、一人がトイレへ移動したとします。兼用ライト一つしかなければ、もう一人は暗い中で待つことになります。
災害時には「明かりがあるか、ないか」だけでも安心感が変わります。
ここまで考えると、単なる「セットの中身」ではなく、避難生活をどう過ごすかまで考えられていることが見えてきます。
「命を守る」から「生活を維持する」へ
今回、私が比較していて最も強く感じたのは、この違いでした。
安価な防災用品では、まず救急用品や最低限の持ち出し用品を考えます。
しかし、価格が上がるにつれて、
食料、トイレ、防寒、明かり、睡眠、衛生、プライバシー……
と、「災害直後を生きる」だけでなく、その後の生活をどう維持するかという問題が入ってきます。
たとえばエアーマットは、避難所の硬い床で身体を休めるための用品です。レスキューシートや寝袋は寒さへの備えになります。
非常用トイレは断水時の切実な問題を解決します。
ドライシャンプーは水が使えない状況での衛生に役立ちます。
目隠しポンチョは、避難生活におけるプライバシーを考えた用品です。
つまり、防災は「生き残る」だけではありません。
生き残った後、どう生活するのか。
ここまで考えて初めて、商品の違いが見えてくるのではないでしょうか。
トイレ・寒さ・睡眠――「小さな困りごと」が大きなストレスになる
災害時、食料や水が大切なのはもちろんですが、生活の中には細かな困りごとがたくさんあります。
「トイレに行きたい」
「寒い」
「眠れない」
「着替えたい」
「身体を拭きたい」
「明かりが欲しい」
「家族と連絡を取りたい」
こうしたことは、平常時には当たり前すぎて気にしません。
しかし、災害時には一つ一つが大きな問題になります。
だからこそ、私は防災用品を見るとき、
「こんなものまで必要なの?」
ではなく、
「災害時、このことで困る人はいないだろうか?」
と考えるようになりました。
フラバとLA・PITA、結局どちらを選ぶか
私の結論は、どちらか一方に決める必要はないです。
フラバは、必要なものを細かく選びたい人に向いていると思います。
救急用品を追加したい。
車用だけ備えたい。
火災対策を強化したい。
暑さ対策だけ欲しい。
そんな「自分の悩み」に合わせやすいのが魅力です。
一方、LA・PITAは、最初からある程度まとまった形で、総合的に備えたい人に向いていると私は感じました。
リュックそのものの機能、収納、保存食、ラジオライト、トイレ、防寒、睡眠などをまとめて考えられるからです。
現在の公式価格を見ると、ラピタプレミアム1人用は19,980円です。決して安い商品ではありません。
だからこそ、価格だけで判断するのではなく、
「自分が何を必要としているのか」
を考えてから選ぶべきでしょう。
私ならどうするか
ここは、あくまで著者である私の個人的な感想です。
私自身なら、総合的な備えとしてはLA・PITAを選びたいと思いました。
理由は、一つ一つの用品だけでなく、リュック、収納、明かり、情報、食料、トイレ、防寒、睡眠までを一つの体系として考えられているからです。
ただし、それでフラバが不要になるわけではありません。
むしろ、
LA・PITAを基本として、足りないところをフラバなどの細かな商品で補う。
この考え方も十分にありだと思います。
フラバには、フラバだからこそ選べる商品があります。
LA・PITAにも、LA・PITAだからこそできる「まとめて備える強さ」があります。
私は、両社の個性を生かす方が、現実的な防災につながるのではないかと考えました。
防災用品は「売るため」ではなく「困らないため」に選びたい
今回、19ページにわたって商品を調べて、私は一つのことを強く感じました。
防災用品を紹介するとき、
「ランキング1位です」
「人気商品です」
「こんなに多く入っています」
だけでは、本当の意味で読者の役には立たないのではないでしょうか。
大切なのは、
その人は何に困るのか。
そのために何が必要なのか。
その必要なものを、どの商品で備えるのか。
という順番です。
防災とは、災害が起きてから慌てて買うものではありません。
普段の生活を振り返って、
「これがなくなったら私は困る」
というものを、一つずつ考えておくことなのだと思います。
そして、その悩みを解決してくれる商品に出会えたなら、購入する。
私は、そんな防災記事こそが、読者にとって本当に役立つ記事であり、結果として商品も選んでもらえる記事になるのではないかと考えています。
売るために商品を紹介するのではなく、
悩みを解決するために商品を紹介する。
その結果として、必要な人のもとへ商品が届く。


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